登録販売者試験で学ぶステロイドですが、実際の実務でもステロイド外用剤はお客様にご案内する頻度も高く、試験の学習としても・実務としてもしっかり押さえておきたい成分です。
登録販売者試験の学習内容としては、他の成分と比較しても内容が少なめですが、きちんと理解しておかないとお客様の患部の症状悪化にもつながりかねない為、しっかり理解しておきましょう!
ステロイドとは
ステロイドは、皮膚の痒み・腫れ・痛み等を抑える(鎮痒・抗炎症・鎮痛)成分で、
- ステロイド性抗炎症成分
- 非ステロイド性抗炎症成分
があります。
皆さんがよく知っているステロイド外用剤は、皮膚科などでも処方され、これまで耳にしている方も多く、使用したことがある方もいらっしゃると思いますが、市販薬でも様々な医薬品が発売されています。
そんなステロイド外用剤に配合されている”ステロイド性抗炎症成分や非ステロイド性抗炎症成分”とはどのような成分なのでしょうか。
ステロイド性抗炎症成分
ステロイド性抗炎症成分の大きな特徴としては、
副腎皮質ホルモンであるステロイドホルモンが持つ、抗炎症作用と共通する化学構造を持つ化合物を”人工的に合成された成分”
という点があります。
外用の場合、患部局所の炎症を抑え、痒みや発赤などの皮膚症状を抑える目的で使用されています。
主に、軟膏やクリームと言った製品が多いです。
デキサメタゾン
プレドニゾロン酢酸エステル
プレドニゾロン吉草酸酢酸エステル
ヒドロコルチゾン
ヒドロコルチゾン酢酸エステル ….
など。
登録販売者試験|第3章:成分の覚え方!共通語尾で難関突破!!
また使用には、
- 化膿している患部への使用を避ける
- 広範囲での皮膚症状・慢性の湿疹・皮膚炎を対象とするものではない
- 副作用として末梢神経での免疫機能を低下させる・持続的副作用が現れる場合がある
- コルチゾンに換算して、1gまたは1mL中に0.025mgを超えてステロイド性抗炎症成分を含有する製品は、長期連用(2週間以上)を避ける
- 短期間の使用でも、患部が広範囲にわたる場合は過度の使用を避ける
と、使用時には上記のような注意が必要な成分です。
ステロイドは「怖い」との認識が強くある成分ですが、使い方や副作用をしっかり理解していれば、不快な症状を和らげる頼もしい味方となる成分です。
ステロイドの分類
ちなみに学習では出てきませんが、ステロイドには沢山の種類があり、効果の強さによって以下のようにⅠ群:strongest(最も強い)~Ⅴ群:weak(弱い)の5つの分類へと分けられています。
引用:第一三共ヘルスケア「ひふのいろいろQ&A」
より
Ⅰ群:strongest(最も強い)~Ⅱ群:very strong(とても強い)は、医師や薬剤師など専門家の管理が必要な医療用医薬品のため、登録販売者が扱う一般用医薬品(OTC)に配合されているステロイドは、Ⅲ群:strong(強い)~Ⅴ群:weak(弱い)までの成分となります。
引用:田辺三菱製薬「製品情報|フルコートf」より
沢山の種類があるステロイドですが、このように強さの分類が分かると、ステロイドの全容が見えてくると思います。
また、原則顔に使用するステロイドはⅣ群:mideum(普通)~Ⅴ群:weak(弱い)までとされています。
非ステロイド抗炎症成分
非ステロイド性抗炎症成分の大きな特徴としては、
分子内に副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)と共通する化学構造を持たず、プロスタグランジンの産生を抑える作用を示す成分
が挙げられます。
【鎮痛に用いる成分】
インドメタシン
フェルビナク
ケトプロフェン
ジクロフェナクNa
ピロキシカム
【ほてりや痒みの緩和】
ウフェナマート ….
など。
インドメタシン・フェルビナク・ケトプロフェンなどは、鎮痛に用いる外用剤として、整形外科などでよく処方される湿布やパップ・テープ・スティックのりのような塗る湿布などで知られており、処方された経験がある方も多いと思います。
これら成分にはそれぞれ注意点があり、試験にも出題されますので要点をきちんと押さえておきましょう。
・ウフェナマート | ほてり・痒みの緩和 | 炎症を生じた組織に働き、細胞膜の安定化・活性酸素の生成抑制などの作用により、抗炎症作用を示す。 |
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・インドメタシン | 筋肉痛・関節痛・打撲などの鎮痛 |
【ケトプロフェン・ピロキシカム】 【インドメタシン】 |
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サリチル酸 メチル | 湿疹・皮膚炎・あせも・かぶれ・日焼けなどの緩和 | 皮膚から吸収後サリチル酸に分解される 局所刺激による血行促進作用 末梢の知覚神経に軽い麻痺を起こすことによる鎮痛作用もある |
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イブプロフェン ピコノール | ニキビ | ニキビ治療薬に配合 吹き出物の拡張を抑える もっぱらニキビ治療薬として用いられる 外用での鎮痛効果(筋肉痛・関節痛など)は期待できない |
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グリチルリチン酸 | ほてり・痒みの緩和 | 比較的穏やかな抗炎症作用を示す |
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その他押さえておきたいところ
外用剤の貼付薬には冷湿布と温湿布があり、その中には局所刺激成分が配合されています。
それぞれ配合されている成分にも様々な作用と特徴があるので、ここもしっかり押さえておきましょう。
・メントール ・カンフル ・ハッカ油 ・ユーカリ油 | 冷感刺激成分 | 皮膚表面に冷感刺激を与え、軽い炎症を起こして反射的な血管の拡張による患部の血行を促す 知覚神経麻痺による鎮痛・鎮痒効果 打撲やねん挫などの急性の腫れや熱感を伴う症状に適する 目や目の周り・粘膜面への使用は避ける |
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冷感の湿布は、打ち身・捻挫などの急性の症状や熱を伴う痛みに使用することが向いています。
・カプサイシン ・ノニル酸ワニリルアミド ・クロタミトン ・トウガラシ ・ニコチン酸ベンジルエステル | 温感刺激成分 | 皮膚に温感刺激を与え、末梢血管を拡張させて患部の血行を促す 【クロタミトン】 皮膚に軽い灼熱感を与え、痒みを感じにくくさせる 貼付部位を保温機で温めると、強い痛みを生じやすくなる低温火傷を引き起こす恐れがある 入浴前後の使用は適当でない (入浴1時間前には剥がし、入浴後は皮膚のほてりが鎮まってから貼付する) 目や目の周り・粘膜面への使用は避ける |
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温感の湿布は、温感刺激による血行促進で、肩こりや腰痛など、熱感を伴わない症状に使用するのが向いています。
湿布の種類
こちらは試験に出ませんが、知識としてして知っておくと実際の実務でも役立つのですが、湿布は大きく
- 冷湿布
- 温湿布
の2つに分けられます。
現在はこの2種類に、痛み止めの成分を加えたタイプの「第二世代湿布」があります。
それが、上記の非ステロイド成分を加えたものです。
こちらも温湿布・冷湿布どちらもあります。
温感・冷感は使用感にも違いがありますが、寒い冬は温感として使い分ける方もいます。
湿布というと冷感のイメージが強いですが、お客様の症状や使用感の好み合わせて提案してあげれるようにしっかり覚えておきたいですね!
ステロイドについてのまとめ
今回は第3章でのステロイド外用剤についてまとめました。
試験ではそこまで出題される項目は多くはありませんが、実務では頻繁に聞かれる外用剤ですので、使用上の注意をしっかり理解してきちんと情報提供しなくてはなりません。
特に長期での使用を避ける・顔と身体では使い分けることは重要ですので、ステロイドの分類も頭の隅に入れておくと、ステロイドの全容が理解しやすくなると思います。
「ステロイドは怖い」という気持ちを持っているお客様は多くいます。登録販売者として正しい使用法をご紹介できるようにしておきましょう!

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