登録販売者を目指す中で、正規の登録販売者になるには”実務での経験や条件が必要”と耳にしたことがあるとういう方も多いと思いますが、一体どうゆうことなのかよくかわかりませんよね。
これは、正規の登録販売者(第2類・第3類を扱う店舗の店舗管理者)になるための要件で、一定の期間内に必要な幾つかの条件を満たさなければなりません。
そこで今回は、この正規の登録販売者になるために必要な条件をご紹介していきます!
正規登録販売者になるための条件
平成26年度までは、登録販売者の資格試験を受験するには一定の条件が必要でしたが、平成27年度に登録販売者試験の受験資格は撤廃され、
現在では登録販売者試験は誰でも受験できる(年齢・学歴問わず)ようになっています。
しかし、登録販売者試験に合格したからと言って、すぐに一人で医薬品販売が出来るわけではありません。
正規(一人前)の登録販売者になるためには、以下の
過去5年間のうち合計1920時間以上、かつ通算2年以上の
実務・業務経験
を満たすことが必要となります。
★【令和5年4月1日に新たに追加】
過去5年間のうち合計1920時間以上、かつ通算1年以上の実務・業務経験があり、
外部研修(12時間)並びに法令遵守及び店舗又は区域の管理に関する追加的研修(6時間)を修了した場合
※こちらは詳細がまとまり次第ご紹介します。
厚生労働省のホームページにも以下のように掲載されています。
【店舗管理者(第2類・第3類医薬品を扱う店舗)の要件】
実務又は業務に従事した期間は、月単位で計算することと し、1か月に80時間以上従事した場合に、実務又は業務に従事した ものと認められる。ただし、従事すべき時間に関しては、多様な勤 務状況を踏まえ、前記の条件を満たさない場合でも、過去5年間の うち、月当たりの時間数にかかわらず月単位で従事した期間が通算 して2年以上あり、かつ、過去5年間において、合計 1,920時間以上 従事した場合は、薬局、店舗販売業又は配置販売業において一般従 事 者 と し て 薬 剤 師 又 は 登 録 販 売 者 の 管 理 及 び 指 導 の 下 に 実 務 に 従 事した期間及び登録販売者として業務(店舗管理者又は 区域管理者 としての業務を含む。)に従事した期間の合計が通算して2年に満 た な い 登 録 販 売 者 以 外 の 登 録 販 売 者 と 認 め ら れ る と み な し て 差 し 支えない。
引用:厚生労働省「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に 関する法律施行規則の一部を改正する省令の施行等につい て」より
つまり..
薬事業務に 従事する期間 | 過去5年間に通算2年以上 |
薬事業務に 従事する時間 | 合計1920時間以上 |
※”通算”なので連続でなくてOK
この期間と時間を満たした実務・業務経験を積んでいればOKとういうことになります。
この実務・業務経験の条件が満たされるまでは、試験合格後でも「研修中の登録販売者」となります。
正規登録販売者のなる条件を知るための3つの項目
次に、正規登録販売者になる為に必要な上記条件について、
- 過去5年間に通算2年以上とは
- 合計1920時間以上とは
- 実務経験・業務経験とは
と、1つずつ確認していきましょう。
❶「過去5年間に通算2年以上」
まずはこちらから。
過去5年間に通算2年以上とは
⇒過去5年間:正規の登録販売者になる時点から起算した過去5年間
⇒通算2年以上:薬事業務に従事した期間が通算2年以上
これは、薬事業務に従事した”期間”を指していて、その期間が5年間に通算2年以上必要ということになります。
よく”継続して2年でなくてはならない”と思われているのですが、平成27年度以降は、連続ではなく、5年間で”合計”で2年あればよいことになりました。
❷合計1920時間以上
次はこちら。
1920時間以上とは
⇒5年間に合計1920時間以上必要
※連続してなくてOK
こちらは、5年間に合計1920時間以上薬事業務に携わった時間があれば認められます。
しかし、過去5年以内に通算2年以上必要であるため、
例えば、1年で1920時間以上を満たしたとしても、その時点では、まだ薬事業務に従事した期間の“2年以上“という要件は満たせないので注意が必要です。
❸「実務経験・業務経験」
最後はこちら。
実務経験とは、試験合格・販売従事登録前の
一般従事者として薬剤師または登録販売者の管理および指導の下実務についた経験
業務経験とは、試験合格・販売従事登録後の
登録販売者(研修中含む)として薬剤師または登録販売者の管理および指導の下実務についた経験
のことを言います。
これらには以下ような経験が必要です。
主に、
- 一般用医薬品販売などのレジ業務
- 一般用医薬品の接客応対(薬剤師や登録販売者への引継ぎなど)
- 一般用医薬品の品出しなど
- 商品・売り場の管理(期限のチェックや返品など) etc..
など、勤務時間内で、薬事に関する業務に携わった時間のみがカウントの対象となり、この内容に関しては勤務先が認めるものが該当するようです。
また、これらの経験は、
- 登録販売者(研修中含む)として業務に従事した経験(業務経験)
- 一般従事者として実務に従事した経験(実務経験)
を、5年以内であれば合算することも可能です。
正規の登録販売者になる3パターン
上記でお話しした、「過去5年間に通算2年以上、かつ合計1920時間以上の実務・業務経験」という条件を満たすには、大きく次の3つのパターンが当てはまります。
- 既に要件以上の実務経験がある場合
- 実務経験が要件に満たない場合
- 実務経験がない場合
それぞれの条件に当てはめたパターンでのカウント例を、以下で見ていきましょう。
既に要件以上の実務経験がある場合
【例】ひと月50時間従事した場合

従事した時間が過去5年間に合計1920時間以上ある
と、この必要な2つの条件を満たしている為、試験合格・販売従事登録後、正規登録販売者になることが出来ます。
例え上記のように1年間期間が開いていたとしても、連続でなくてOKなので、実務経験として認められます。
実務経験が要件に満たない場合
【例】ひと月50時間従事した場合

従事した時間が過去5年間に合計1920時間以上ある
実務経験が要件に満たない場合でも、5年以内であれば、不足の分を研修中の登録販売者として従事した経験(業務経験)と合算することも可能です。
実務経験が全くない未経験者の方場合
【例】ひと月50時間従事した場合

従事した時間が過去5年間に合計1920時間以上ある
実務経験がない場合、試験合格・販売従事登録後、研修中の登録販売者として業務経験を積み、必要な条件を満たした時点で正規登録販売者となれます。
こちらも上記のように1年間期間が開いていたとしても、必要な2つの条件を満たしている為、正規登録販売者になる経験として認められます。
このように、薬剤師または正規登録販売者の管理および指導の下で、とにかく過去5年間に通算2年以上の実務(業務)経験が必要となります。
それが出来ずに5年経ってしまった場合は、また条件を満たせるように実務(業務)経験を積むということになります。
注意したいところ
”合計1920時間以上”のカウント法では、一つ注意すべきところがあります。
それは..
5年間に従事した”時間”が合計1920時間以上を満たしていても、従事した”期間”が通算2年以上でなければならない
ということです。
例えば、月160時間(1日8時間×20日)の薬事業務を行った場合、1920時間以上には1年で到達します。
160時間×12ヵ月=1920時間
この場合、1920時間以上という条件は満たしますが、薬事業務が1年にしか満たないため、必要な条件を満たしたことにはなりません。
薬事業務は2年以上なくてはいけないので、5年間にこのどちらかでも満たされない場合、管理者要件として認められないことになります。
実務経験・業務経験の疑問
ここでは、実務・業務経験等に関する疑問点などをいくつか挙げてみました。
どのような場合が経験として認められるのか、実務・業務経験を積む際に必要なことなど確認しておきましょう!
実務・業務経験はどこで積めるの?
上記でお話ししたように、正規登録販売者になるために必要な実務・業務経験を積むには、一般従事者として薬剤師または正規登録販売者の管理および指導の下で薬事業務につく必要があります。
その為、上記条件が該当する就業先は、薬剤師や正規の登録販売が勤務する
- ドラックストア
- 調剤薬局(一般用医薬品の扱いがある調剤薬局)
- 一般用医薬品の扱いのあるホームセンターや家電量販店
などが挙げられます。
就業先は、基本的に一般用医薬品の扱いのある所であれば該当します。
これらの就業先で、
- 試験前から勤務して先に実務経験を積む
- 試験に合格してから勤務し、研修中の登録販売者として業務経験を積む
などの形になります。
実務(業務)経験はアルバイトでも積めるの?
実務・業務経験は雇用形態に関わらず積めます。
その為には、薬事業務に携われるよう会社側に申し出、協力してもらう必要があります。
正規の登録販売者を目指すために経験を積みたい場合は、
- その旨をきちんと会社側に申し出る
- 該当する薬事業務に携わる時間を確保してもらう
- 薬事業務時間を記録する
ようにしましょう。
有給休暇の分はカウントされるの?
実務(業務)経験では、休憩や休日、有給休暇の分はカウントされません。
あくまで勤務中に薬事業務に従事した時間が対象となります。
私の職場の方で、実際に有給休暇が含まれると思い計算していた方がいました。
しかし有給休暇分は実務(業務)経験に含まれないので、結局その方は80時間に満たない月がいくつかあり、かなり焦っていました。
誤ってカウントしてしまうと後々大きな痛手となってしまうことになりかねないので、気を付けておきましょう。
その他の疑問
薬事業務に携わった時間はカウントできます。しかし、5年間に合計1920時間以上とならなければなりません。
第一類医薬品を扱う店舗の管理者要件でも、新たなカウント法が認められました。「過去5年間に通算3年以上・ひと月80時間以上」に満たない場合は、「過去5年間に通算3年以上、かつ、過去5年間に合計2880時間以上」必要となっています。
同一月に異なる企業との合算はできません。どちらか片方の薬事業務でのカウントとなります。資格取得者の場合、同一月・同一企業の複数店舗でしたら合算可能です。資格取得前の方は、同一月・同一店舗での経験が対象となります。
合格の取り消しや資格の失効はないです。
再度条件を満たせるよう経験を積むか、正規登録販売者であれば”研修中の登録販売者”に戻り、条件を満たせばまた正規の登録販売者となります。
一般従事者として実務経験等を積む場合、先に会社に申し出ておきましょう。
薬事業務に従事した時間を日々記録する必要があります。その記録があなたの実務経験を証明し、実務従事証明書を発行する際等に必要となります。必ず申し出ておきましょう。
正規登録販売者になるための必須条件のまとめ
今回は、正規の登録販売者になる為に必要な条件や実務・業務経験についてまとめました。
正規登録販売者になる為の経験を積むパターンには、大きく下記の3つに該当することがわかります。
- 過去5年間に合計1920時間以上かつ通算2年以上の 実務経験が必要
- 過去5年間に合計1920時間以上かつ通算2年以上実務経験+業務経験が必要
- 過去5年間に合計1920時間以上かつ通算2年以上業務経験が必要
※どちらも連続でなくてOK
現代の多様な働き方を踏まえ、沢山の方が登録販売者を目指しやすい条件となっています。
令和5年4月1日に追加された条件では、これまでに管理者要件の条件を満たせず正規登録販売者になるのを諦めていた方にも、朗報かと思います。
ご自身の働き方と照らし合わせて、再度、正規登録販売者への道をチャレンジしていきましょう!

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